膝の水が良くない訳は?

【11】膝が腫れたままにしていてはいけません

 加齢とともに増えてくる膝の病気で最も多いのが、変形性膝関節症です。しばしばO(オー)脚に変形して、歩き始めや階段で膝の内側が鋭く痛み、膝のお皿の上が腫れてしまうことが多いのが特徴です。

 なぜ水が溜まってしまうのか、ということから説明します。

 
 膝の関節は、モモの骨(大腿骨)とスネの骨(脛骨 けいこつ)、それに、お皿の骨(膝蓋骨)の3つの骨の接合部分で構成されています。骨同士が接する部分は骨がむき出しではなく、軟骨で覆われています。関節面をカバーする軟骨を「関節軟骨」と呼びます。

 
 関節軟骨の機能は、衝撃を吸収し、すべりを良くすることです。関節軟骨は、骨と異なり、全体の70%が水で大量の水を保持して弾力があり、表面は滑らかでヌルヌルしています。

 軟骨は、コラーゲン、グルコサミン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸などで構成されています。

 軟骨は圧力が加わると僅かに凹み、保持していた水分が押し出されますが、圧力がなくなるとバネのような分子構造と水分を引き寄せる性質から、再び水を吸って元の形に復元する能力を持っています。

 
 そのように軟骨には関節を守る作用があるわけですが、過剰な衝撃を長く受け続けていると軟骨表面が磨耗し、表面がザラザラしてきます。そしてはがれた軟骨組織のカケラが関節の空間に流れてしまいます。

 するとそのカケラは免疫系には異物として認識され、白血球やマクロファージなどが集まりカケラを攻撃します。それらの細胞は、免疫の指令物質であるサイトカインや活性酸素を放出し、関節の内側を裏打ちしている「滑膜」という粘膜組織に炎症を起こします。

 粘膜に炎症が起こると、赤く腫れて、水っぽくなり、さらにジクジクと水がしみ出してきます。その水の中には更に炎症を起こさせる物質も混じっています。

 この炎症は、膝にとっては決して有利な反応ではなく、炎症が更に軟骨組織にも障害を与え、それが一層の関節炎症を誘発する、という悪循環に陥ってしまいがちなのです。

 
……続く

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