最近急に日々、冷え込んできましたね。インフルエンザのワクチン接種はもうお済みですか?

今日は妊婦さんに是非読んでいただきたい話です。

今妊娠中でお腹が大きく、年末から春先にかけてご出産の予定のご婦人の方、楽しみですね。

ですが、これから益々寒くなり、インフルエンザの流行の季節に入ります。

生まれたての赤ちゃんがインフルエンザにかかったら大変です。一般的に、生まれたての乳児は、母体から様々な免疫抗体を受け継いでいることと、母乳に含まれる抗体などで感染にかかりにくいようです。しかし決して感染しないというわけではありません。

では、乳幼児にもワクチンを接種した方が良いのでしょうか?

それにはちょっと問題があります。

1歳から6歳の幼児ではワクチンには約30%程度の発病阻止効果があり、小児科の先生と相談して、必要と考えられれば接種すると良いでしょう。

しかし、1歳未満の乳児ではワクチンの効果は確認されておらず、特に生後6ヶ月未満ではワクチン接種 は許可されていませんが、もし6ヶ月未満の乳児がインフルエンザにかかると重症化して入院する率が極めて高く、その入院率は高齢者よりも高いことが解りました。

では、生まれたてから6ヶ月未満の赤ちゃんを怖いインフルエンザから守る有効な手段はなんでしょうか?

それに関して、最近非常に有益な論文報告がありました。

アメリカのジョンズ・ホプキンズ大学ブルームバーグ公衆衛生学部(ボルティモア)国際保健学科、マーク・スタインホフ教授らの研究によりますと、母親が妊娠中に予防接種を受けておけば出生した乳児もインフルエンザにかかりにくくなるとのこと。

研究グループは、バングラデシュで340人の妊婦を調査しました。そのうち、ランダムに172人にインフルエンザワクチンを接種し、168人に対照として肺炎球菌ワクチンを接種して6ヶ月間追跡調査しました。

その結果、インフルエンザワクチン群の母親から生まれた乳児では、肺炎球菌ワクチン群の母親からの乳児に比べてインフルエンザにかかった率が63%も低く、重度の呼吸器疾患を合併した率も母子ともに低かったのです。

妊婦さんは、ご自分と生まれてくる赤ちゃんのためにも、妊娠中にインフルエンザワクチンを打っておく方が良いようです。ワクチンは是非11月中に済ませておいてください。

(インフルエンザワクチンは胎児に影響を与えるとは考えられていません。また、妊婦が特にワクチンで重篤な副反応・副作用を及ぼすことはありません。しかし、安全を期して妊娠13週を過ぎてからの接種が推奨されます。)

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「新型インフルエンザ」、つまりヒトからヒトへの感染力を獲得したトリインフルエンザ(A型院インフルエンザH5N1亜型ウィルス)が発生した場合には、非常に高い死亡率も持つため、世界的な流行(パンデミック)になれば、全世界で1億人規模の死者が出る可能性も指摘されています(American Scientist 91: 122-129, 2003)。

厚生労働省の試算によると、世界流行が発生した場合にはわが国でも最大2500万人が医療機関を受診し、64万人程度が死亡すると予測しています。

インフルエンザの場合注意が必要なのは、決して普段体力の弱っている病人やお年寄りだけではなく、普段比較的体力のある若者でも重症化したり死亡する率が高いという点です。

パンデミックを阻止するには、迅速確実な診断・隔離などが必要になりますが、早い時期に新型インフルエンザに対するワクチンの接種が求められます。

流行阻止のカギはワクチン完成までの時間です。

何も準備していないと、ワクチン開発スタートから完成までに3年もかかってしまうのです。

新型インフルエンザの流行に備えて、2006年から試作ワクチンが作られています。

新型インフルエンザは、トリ・インフルエンザH5N1亜型ウィルスがヒト→ヒト感染できる遺伝子に変異したものです。今のところ、トリ・インフルエンザウィルスはヒト→ヒト感染力がないウィルスですが、ヒト→ヒト感染に変異したとしても、基本構造はH5N1型ですので、類似のワクチンは変異型にもある程度の感染免疫を発揮すると考えられます。

これから開発する「試作ワクチン」はH5N1亜型トリインフルエンザが新型になったと想定し、ベトナムの患者から分離したトリインフルエンザウイルスが使用されています。

事前にワクチンの製造法を確立して承認を得ておけば、人から人への感染力を持つ新型H5N1インフルエンザが出現したときに、その新しいウイルスと差し替えてワクチンを作れます。ウイルスの型は同じH5N1なので、臨床試験などを省略して製造できるメリットがあります。

何も準備していない場合、ワクチンの開発から製造まで最低でも3年もかかってしまいますが、今回の取り組みにより、新型インフルエンザ発生時に最短で1年弱で製造にこぎつけられ、大幅にスピードアップできるため流行の阻止に役立つと期待されます。

今のところ、ヒト⇒ヒト感染のH5N1インフルエンザは出ていませんが、トリ⇒ヒト感染は散発しています。

最大の発生地は主に東南アジアです。2006年統計でのトリ・インフルエンザ国別感染確認数は、ベトナム:93人、インドネシア:69人、タイ:25人、中国:21人、エジプト:15人、トルコ:12人、アゼルバイジャン:8人、カンボジア:6人、......となっています。ベトナムは最近日本でも観光人気の高い国ですが、流行時期、すなわち、年末から春先までは、避けた方がよろしいのではないかと考えられます。

感染予防には、とにかく正しい情報をすばやく入手して、実際に手を打つ。それが大切です。

次回は、妊婦と乳児のためのインフルエンザ最新情報をお伝えします。

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こんにちは。院長の平です。

今年はインフルエンザ対策に社会的関心が高いせいか、当院でも10月末までに約500人の方が予約され、その多くは既にワクチン接種を済まされました。

先日、10月30日の当院メールマガジンでもお伝えいたしましたが、最近ではタミフルに耐性を持つウィルスも西日本から広がりつつあります。インフルエンザにかかってからの治療では、かなり厳しいと予想されるため、感染しないための予防対策が益々重要になってきています。予防対策に大切なのは、何度もしつこいようですが、手洗い・うがい・保温・保湿・マスク・体力保持・栄養補給・休養・睡眠、それにワクチン接種ですね!!

ところが、ワクチン接種でも安心できない事態が危惧されています。

それは、いわゆる「新型インフルエンザ」の世界流行、すなわち「パンデミック」(Pandemic)の可能性です。

インフルエンザウィルスは次々と変異を繰り返すので、厳密な意味では毎年少しずつ「新型」となっているのですが、今、世界的パニックとなる恐れがある本当の意味での「新型」インフルエンザとは、
ヒトからヒトへの強い感染力を持った、「鳥インフルエンザ」の変異ウィルス
を指しています。

東南アジアでは、ニワトリなどからヒトへの感染は発生しており、中でもインドネシアでは多数のトリ・インフルエンザ(Avian Influenza)の発症が報告され、インドネシアの保健省から詳しく報告されました。

その研究報告によると、トリ・インフルエンザに感染した患者のなんと81%が死亡したといいます。驚くべき致死率です!

トリからヒトに感染するトリ・インフルエンザは「H5N1亜型ウィルス」とされます。

2005年から2008年の間、インドネシアでH5N1亜型ウィルス感染と診断された127例のうち、死亡したのは103例にも達しました。これは81%もの高い確率で死亡したことになります。

患者ごとの経過を調べると、発症から2日未満の早期にタミフルの内服を開始した人の方が、それより治療が遅れた人よりも生存率が高かったことがわかりました。

タミフルはトリインフルエンザに対して有効ではありますが、確実に救命できるとは言えません。

死亡率を下げ、治りやすくなる効果は発揮しますが、トリ・インフルエンザはかかってしまうと、死の可能性が高い恐ろしい感染症です。発症から2~4日でタミフル治療を開始された人でも、64%が亡くなりました。

H5N1亜型ウィルス(トリ・インフルエンザ)は、今のところはヒトからヒトへの感染力はほとんどないと考えられています。しかし、インフルエンザウィルスは元々非常に高い頻度で突然変異(ウィルス遺伝子の組み換え)が起こるので、トリからヒトへの感染数が増えれば、その中にヒトからヒトへの感染力を獲得したウィルス(すなわち、「新型インフルエンザ」)が発生する可能性は高いと予測されています。

続く

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前々回からのCT装置に関するこぼれ話をお届けします。

診療には関係ありませんが、今日の話を読むと小豆沢整形外科の「通」になれるかもしれません。

今では毎日患者様の診断に活躍しているこのCT装置。実際に見た方はお分かりですが、5階奥の部屋の大部分を占める大掛かりな機械です。どうやってビルの5階まで運んだと思いますか?

当然、部品に分けて運び入れて部屋の中で組み立てるのですが、土台となる金属や、中で回転するリング状のレントゲン発生器などの主要部品は一つで数百kgにもなる巨大な金属骨格でできているため、エレベータや階段では運び上げられません。

医院開院前の内装工事が最終段階に近づいた2005年6月後半のある日の深夜、小豆沢通り、医院前道路の片側1斜線を封鎖する格好で大型の工事用クレーン車が止まりました。医療器械運搬用の大型トラックが運んできたCTの重量部品を、クレーンで吊るし上げ、CT室の窓を通して慎重に運び入れられました。窓は大型部品が通るにはやっとの大きさ。搬入作業は危険を伴う難工事でした。20人近くの専門作業員の方が、深夜から明け方近までかけて、大変な作業を無事完遂していただきました。

その後、翌日から比較的細かい部品はエレベータや階段を通して何十回にも分けて運び上げられ、実に数百点の部品が約1週間かけて組み立てられ、6月末に完成しました。作業員の方の工程を時々見に行きましたが、専門家とはいえ、その手際の良さには感心しました。

その後に窓は塞がれて壁に作り直され、放射線遮蔽の鉛の板も張られました。

ちなみに、当院が入っているビルは、非常に頑丈でしっかりとした作り。耐震性も非常に高くなっています。ビルを建てたオーナー様は医療ビルに関して造詣が深く、重量物の設置や配線工事がしやすい設計をしていただいていました。5階という高所でも十分な強度のあるビルであったこともCTを設置できた大きな理由のひとつです。

多くの人々のご尽力で無事CTは当院に入り、大きな故障もなく毎日診断に力を発揮し大活躍しています。

もし、当院でCT検査を受けられることがありましたら、設置工事の様子を想像してみられてはいかがでしょうか?

当院のCTに関する話題はこれで一旦終わりです。

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前号からの続きです。

さて、医院開設前の予算ギリギリまで使ってCT導入を決めましたが、次は機種の選定です。

開業準備の2005年3月、私はクリニックビルのオーナー様とのテナント契約を済ませ、内装工事の設計を建設業者さんと確認しつつ、CT機種の最終選定をしていました。

当院では大病院にあるような最高機種のCT の設置は無理です。専門的にいいますと、例えば「32列マルチスライスCT」などではありません。(ちなみに今年は東芝から320列マルチスライス高速CTも発売されています)。このような上位機種になると「億」の価格になり、駆け出しの個人開業医の私では手が届きません。

当院で導入可能なのは標準的なシングルスライス・ヘリカルCTまででした。しかし私は整形外科医としてのこだわりがありました。こだわり、とは何かというと、細かい組織を判別できる能力です。

多くの標準的CTでは、解剖学的解像度が直径3mm程度です。つまり体の組織の3mmの大きさのものまで判別できる、あるいは3mmの差が解る、ということです。

大きな組織の撮影では解像度3mmの画像でも十分わかりますが、手指などの小さい骨の骨折の診断の時にはもっと細かい解像度が欲しいことがあります。そのため、当院のCTは解像度1mmまで性能を上げた一段高額な装置を設置しました。今ではこの判断は正しかったと思っています。

実際、当院の診療では通常のレントゲン写真だけではわからない微妙な骨折が、解像度の細かいCTで見つかったり、あるいは逆にレントゲンでは骨折かと思われた骨の縞状の影が、CTで確認すると骨の変形で骨折ではなかったという例もありました。

骨折は早く診断できないと、痛みで長く苦しんだり、治りにくくなるので、迅速な診断は非常に大切な要素です。大きく難しい骨折などで他の大きな専門病院にご紹介させていただくこともありますが、極力その場で診断と治療ができれば、患者様には大きなメリットがあります。

CTは骨折だけではなく慢性の脊椎疾患の診断にも非常に役立ちます。たとえば腰椎の椎間板ヘルニアですが、精密な診断にはMRIを使用しますが、CTでも熟練レントゲン技師の操作によって相当に判別できます。CTは通常、人体を横切り(輪切り)にした画像しか出ませんが、当院では画像処理ソフトウェアの工夫とレントゲン技師の能力によって縦切り画像も速やかに写し出せるようになっていますので、脊椎疾患の評価にも活躍しています。

一方、MRIは非常に優れた診断機械ですが、検査時間が20~30分程度とやや長くその間全く動いてはいけませんし、狭いところで大きな騒音に耐えなければならず、検査を受ける患者様の精神的・肉体的苦痛はかなりのものです。それに比べて今のCTは実際の撮影時間は長くて4~5分。部位によっては1分程度で撮れますし、機械の奥行きが浅いので圧迫感や閉塞感がなく、検査時の患者さんの精神的負担が非常に少ないのがメリットです。

なお、気になる放射線被爆ですが、当院のCTでは極力放射線被爆が少なくて済む技術が導入されています。また、通常のCT検査レベルでは、健康を害することは統計的にも全くないことが判っています。

放射線の健康への影響については、また後日改めて述べたいと思います。

次回は、CT設置工事のときの話です。

続く

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こんにちは。院長の平です。

今回は、ちょっと趣向を変えて、当院のCT装置に関するお話です。

ご存知のようにCT(computed tomography)はコンピューター断層撮影のことで、回転するレントゲン装置でグルリと360度の体の情報を集め、断面画像を得る診断機械です。

2005年の2月、小豆沢整形外科開業前の設備計画のとき、私はCTの導入について検討していました。以前から医院開設するならCTを入れたいと考えてはいました。

しかし安い機械ではありません。誰も支援者もいない個人開業医の私が設備投資にお金をかけすぎて大丈夫なのか? と躊躇する心の声が聞こえました。本当に下手をすると経営を圧迫、それどころか破綻してしまいます。

はっきりいくらとは申せませんが、○千万円の買い物です。相当迷いました。

CT検査が必要な患者さんは他病院に紹介依頼して撮ってきていただくことも可能です。実際MRIに関しては現在そのようにしていますが、CTはMRIよりも素早く手軽に検査できるというメリットがあります。

CTは脳や内臓の診断に多用されていますが、実は骨折の診断に非常に役立ちます。骨折を疑う怪我の患者さんに対して、病院ではまずレントゲン(X線)撮影をしますが、部位によっては複数の骨が重なって写り、骨折部の影が見えないこともしばしばあります。そのために受傷部位を角度を変えて何枚か撮影しますが、それでも判別しづらいことは稀ではありません。そのときにCTを用いると、断面画像が得られるので、通常のレントゲン写真で見えない骨折を発見することができます。(但しあまりにも小さい骨折はCTでも見えないことがあります。)

骨折はその場で何とか処置をしてあげられないと、痛くて大変です。急いで診断・処置してあげないと困る患者さんに、わざわざ他の病院に行っていただかなくとも自分のところで検査してあげることができたら、地域の方々に信頼される医院となれるのではないか、とも思いました。

また、日帰りでの健康診断にも力を入れていきたいと考えていましたので、メタボリック・シンドロームにかかわる内臓脂肪検査などにもCTは活躍してもらおうとも考えていました。

結局、大きな初期投資ではありましたが、私たちの医院の診療にはどうしても必要だと結論し、恐いながらCT導入を決断しました。開業医なので安い中古機械を設置するという手もありますが、単に形だけで性能が悪いのでは納得できなかったので、当時の新品モデルにすることにしました。

続く

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今、『アンチエイジング』の言葉が流行り、若返りや病気予防に社会的に関心が高まっています。

けれども、ビタミン注射、エステやサプリメントなどのように、「何かを足す」手段よりも先にするべきことがあります。

それはどういうことかと言いますと、まず、体に「悪いもの」を排除すること。

「悪いもの」とは?

色々ありますが、社会的に広く普及している「悪いもの」の代表が、タバコです。

(タバコの害については、「禁煙外来」を参照下さい。)

よく見られるのが、疲労が溜まって風邪引いてゲホゲホして、ビタミン注射や点滴に通っているのに同時にセッセとタバコを吸っている人。エステやサプリメントには熱心でお肌をとても気にしているクセにヘビースモーカーの女性とか......。全くナンセンス。バカバカしくて話になりません。

タバコを止める...... 社会全体のアンチエイジングとして、最も重要課題だと考えます。

それにしても日本の国、というか政治? 役所? は全く狂ってますね。

タスポが導入されたとは言ってもコンビニでは売り放題ですし、逆にまとめ買いする人が多くなったらしいです。どこのレストランでも吸い放題ですし......。

喫煙は国家財政にも何兆円にもマイナスになることが計算でわかっているのに、テレビや雑誌や町角の巨大看板などで一所懸命にタバコを販売しています。実際はJTが売っているのですが、国家として許可し応援していますので、こんな状態では、喫煙が目立って減ることはないでしょう。

外国産タバコが多くなっていますが、これは欧米ではタバコが売りづらくなっているので、諸外国はタバコ天国の日本に圧力をかけて売りつけているだけです。日本の外交は外国にへいこらして売ってあげているという、非常に情けない構図です。外国ではあんな大々的なタバコの看板など出せないことになっているんです。

この国は、国民の健康福祉や自国の財政よりもJT関連の企業収入や外国へのご機嫌取りの方が、とおーっても大事みたいです。喫煙者は国に騙され続けてタバコを吸わされていることに気づくべきです。

これを読んでいる賢明な方は、国家に騙されることなく、自己防衛のため、主体的に禁煙されることをお勧めします。

当院、小豆沢整形外科では、設立以来予防医学に取り組んでいます。予防医学の前提として、禁煙治療も応援しています。

今年になって、画期的な飲む禁煙補助薬、チャンピックスが発売され、「健康保険適応」で、比較的安い費用で禁煙治療がうけられるようになりました。これを飲めば、辛い思いをすることなく、楽にスムーズにタバコから決別できます。(正確に言うと、100%ではありませんが。)

1日2回、朝夕1錠ずつ飲むだけです。詳しくは当院サイトの「禁煙外来」をお読み下さい。

次号ブログからしばらく、禁煙関連について述べていきます。ではまた。

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【12】溜めたままだと膝が壊れます

「膝に溜まった水を注射で抜くとクセになって治らなくなる......」
日本全国に広がってしまっているこの不思議な迷信・民間伝説は根拠のないものです。しかしどこから発生したものなのでしょうか?

よくよく探ってみると、どうも病院以外の治療施設、接骨院・整骨院・鍼灸院あるいはその他の民間療法的施設の「治療家」の人々が流している風説のようです。

医師の行う注射行為などを否定することで、整形外科の病院に患者さんを奪われたくないという気持ちなのか、勉強不足なのか、その両方なのでしょう。もちろん、よく勉強されている立派な治療家先生も私は存じておりますし、「治療家」の方々全てが悪意で風説を流しているとは思いませんが、患者様は上記のような治療施設で膝の水を抜く治療は否定的に言われた、とよく言われます。

そもそも「注射したり水を抜くとクセになる」とはどういう意味でしょうか?

私には理解できませんし、患者様の多くも理解せずに使っているようです。恐らく「クセになる」とは、やればやるほど悪くなり、一生に渡って注射しないといけなくなる、という意味でしょうか。

しかしこれは誤りです。その理由を述べます。

膝に水が溜まる理由は前回ブログで述べました。では膝関節内に過剰に溜まった水にはどのような影響があるのでしょうか?

  • 1.炎症と痛みを増長させる。(炎症を長引かせる物質を含む)
  • 2.軟骨の磨耗を悪化させる。(サラサラしていて潤滑作用がない上に、太ももの筋力がスネの骨に伝わりにくくなるので、膝がグラグラして関節にスリコギ状の動きを起こして関節面を更にすり減らす)

このように、良いことはありません。人間の病気に対する反応は、必ずしもそれを治す有利な反応ばかりとは限らず、放っておくと益々悪い方向に向かうこともあるわけです。

では、水を抜くことのメリットはなんでしょうか?

  • 1.炎症を悪化させ、軟骨を更に破壊する物質を含む水を抜くことで、炎症が治まりやすくなる。
  • 2.注射と同時に潤滑物質(ヒアルロン酸)の注射を入れることができる。そのため、荒れた軟骨表面をある程度修復させることが可能。
  • 3.関節内の余計な体積が無くなると、筋力の伝達効率が回復して膝がカクカクしなくなるので、膝の曲げ伸ばしの滑りが滑らかになる。

これらの作用によって、膝関節症の進行を遅らせることができます。ヒアルロン酸は膝や肩に関節注射することで、プラセボに比して明らかに痛みや動きを改善することが統計的に証明されており、「関節機能改善剤」として認可されてから長い実績があります。

注射は確かにちょっと痛いことは事実です。ですが、その後の何年~何十年先の関節破壊を予防するために確かな効果があります。本当に歩けないくらいに悪化してからでは注射の効果も間に合わず、しばしば人工関節の手術になってしまいますので、最近膝が変だな、と思われたら、まずは整形外科を受診されて下さい。

膝関節症に関しては理論的にも実際にも、「マッサージ」「電気かけ」はほとんど効果ありません。

迷信に流されず、正しい治療を受けられて下さい。

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【11】膝が腫れたままにしていてはいけません

加齢とともに増えてくる膝の病気で最も多いのが、変形性膝関節症です。しばしばO(オー)脚に変形して、歩き始めや階段で膝の内側が鋭く痛み、膝のお皿の上が腫れてしまうことが多いのが特徴です。

なぜ水が溜まってしまうのか、ということから説明します。

膝の関節は、モモの骨(大腿骨)とスネの骨(脛骨 けいこつ)、それに、お皿の骨(膝蓋骨)の3つの骨の接合部分で構成されています。骨同士が接する部分は骨がむき出しではなく、軟骨で覆われています。関節面をカバーする軟骨を「関節軟骨」と呼びます。

関節軟骨の機能は、衝撃を吸収し、すべりを良くすることです。関節軟骨は、骨と異なり、全体の70%が水で大量の水を保持して弾力があり、表面は滑らかでヌルヌルしています。

軟骨は、コラーゲン、グルコサミン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸などで構成されています。

軟骨は圧力が加わると僅かに凹み、保持していた水分が押し出されますが、圧力がなくなるとバネのような分子構造と水分を引き寄せる性質から、再び水を吸って元の形に復元する能力を持っています。

そのように軟骨には関節を守る作用があるわけですが、過剰な衝撃を長く受け続けていると軟骨表面が磨耗し、表面がザラザラしてきます。そしてはがれた軟骨組織のカケラが関節の空間に流れてしまいます。

するとそのカケラは免疫系には異物として認識され、白血球やマクロファージなどが集まりカケラを攻撃します。それらの細胞は、免疫の指令物質であるサイトカインや活性酸素を放出し、関節の内側を裏打ちしている「滑膜」という粘膜組織に炎症を起こします。

粘膜に炎症が起こると、赤く腫れて、水っぽくなり、さらにジクジクと水がしみ出してきます。その水の中には更に炎症を起こさせる物質も混じっています。

この炎症は、膝にとっては決して有利な反応ではなく、炎症が更に軟骨組織にも障害を与え、それが一層の関節炎症を誘発する、という悪循環に陥ってしまいがちなのです。

続く

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【10】間違ったウワサに騙されないように!

整形外科の一般外来診療をしていますと、最も多く見る疾患・症状は、肩こり・腰痛、そして膝の痛みです。

我が国で膝の痛みをもたらす疾患として最も多いのが、「変形性膝関節症」(へんけいせいひざかんせつしょう。以下「膝関節症」と略)です。特徴としては、O脚で肥満気味の中高年女性に発症しやすく、まず膝の内側が立ち上がり時や歩き始めの時や階段の上り下りで痛みを感じるようになります。正座は非常に困難です。放って置くと徐々に普通の平地歩行でも痛みが強くなり、夜間もずきずきと痛みが出現し、膝に水が溜まるようになってきます。次第にO脚が目立ち変形が進行して、歩行が非常に困難になるので歩かないようになり、全身的な体力や筋力も低下する原因となります。

当院にも膝関節症の患者さんが多く通院されています。初診までの経過を尋ねると、接骨院・整骨院・鍼灸院などで、マッサージ・電気治療・鍼灸治療などを受けてこられた方も珍しくありません。膝関節症ではしばしば関節内に過剰な水(関節液)が溜まり、お皿の骨の上の部分が溜まった水で膨らんでしまうことがあります。

過剰な関節液は後に述べるように有害な作用があり、注射器で排出する必要がありますが、その旨を説明すると多くの患者さんは、
「膝の水は抜いてはいけないといわれた」
「注射器で抜くとクセになってかえって悪くなると言われた」
ということをおっしゃられます。

私は以前は宮城県を中心として東北地方の幾つかの病院勤務を経験しました。都市部の病院から、小さな町の診療所まで、色々な病院で整形外科の診療をしましたが、その時に気付いたのは、どこの病院でも患者さんは膝の水に関して、上記と同じようなことを言われるということです。

整形外科医の仲間の話を聞いても、大都会から山間部・海辺の町まで全国津々浦々、患者さんの間では「膝の水は抜いてはいけない」という伝説が行き渡ってしまっているようなのです。

噂の力はスゴイですねー。

この噂、正に「膝の水 伝説」ですが、医学的には全くの誤りです。

症状を改善し、関節障害の進行抑制のためにも、膝関節内に過剰に溜まった水は排出すべきです。

これは整形外科分野の長年の医学的研究で結論が出ていることです。

整形外科の病院では実際には注射器で吸い出して、同時にヒアルロン酸などの潤滑剤を関節内に注入する、という治療が一般的に行われ、良い効果が出ています。

膝に水が溜まる原因と抜く理由については次号で更にご説明します。

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