院長 平竜三のブログ診察室では伝え切れない、詳しい医療情報を語ります

交通事故に遭った後にかかる整形外科の選び方  チェックポイントその③ 受付の電話対応が良いこと

  • 2018.03.23



交通事故人身傷害の治療で整形外科を選ぶポイントその3は、

最初に予約や相談の電話をかけた時の受付係の対応が良いこと

です。


事故後の治療先の整形外科をネットなどで探して候補が見つかったら、そこに電話してみると良いでしょう。その時、整形外科の受付係の対応が良いかどうか、は治療先として決断するかどうかの重要なポイントでもあります。

ここで「電話対応が良い」とはどういうことかというと、

【1】 事務的・イヤそうではなく、親身で温かいな感じの声質であること。
【2】 事故状況、症状、診療経過、損保の対応等、必要情報を漏れなく質問してくること。
【3】 自賠責保険の制度について知識と経験があること。


最初に問い合わせの電話のやり取りで、相手の受付係がこの3つの条件が満たされていると感じるたら、その整形外科の受診予約を取ると良いでしょう。


反対に、相手の声がメンドクサそうで冷たく感じたり、基本的な情報を質問してこなかったり、あなたが保険制度について何か尋ねてみても答が曖昧だったりするようなら、その整形外科への予約は即決せずに一旦保留にして、他の整形外科に電話してみた方が良いかもしれません。

なぜ最初の受付の電話対応が大切なのか、順番に考えてみましょう。



 

【1】 〔電話受付係が〕事務的・イヤそうではなく、親身で温かいな感じの声質であること




電話というのはなかなか恐ろしいものです。                               顔は見えませんが見えない分だけ、つい本心が声の質に表れてしまいます。
「交通事故はメンドクサイ」 と思っている整形外科医の下で働いている受付スタッフは、交通事故の患者さんにはできるだけ来てほしくないと思っています。


なぜかというと、交通事故患者さんを診るのがイヤな医者の下に交通事故患者さんが来ると、その医者は機嫌が悪くなります。医者が機嫌悪くなると、その悪い感情は瞬間的に医院全体に伝わり、スタッフ全員がイヤーな気分になります。だから、そういう医院に勤める電話受付さんは「事故に遭ったのですが・・・」という問い合わせがあると、内心「えー・・・、またうちの先生機嫌悪くなっちゃうわ、やーね」という条件反射で声も暗くなってしまうのです。


反対に、「交通事故で困っている患者さんのために頑張ろう! 被害者さんが回復して社会に戻れる手伝いをすることが自分の役割だ」、と強く自覚している整形外科医の下で働いているスタッフは、上司である医師の仕事を応援しようという気持ちを持ちますから、事故患者さんへの対応にもヤリ甲斐を感じます。問い合わせに対しても自然と親身な気持ちになり、それが声にも自然に表出します。


すなわち、交通事故の最初の相談電話で温かく親身な声で対応してくれる整形外科であれば、担当医師からも、イヤがらずに診てもらえることが大いに期待できそうです。
これは通院する医院選びのために非常に大切な条件だと言えます。



 

【2】  〔電話受付係が〕 事故状況、症状、診療経過、損保の対応等の必要情報を漏れなく質問してくること




声の質が明るく親切で親身であるだけではまだちょっと不安です。


交通事故の治療は、一般のケガ(自分で転んだ、スポーツでケガした)などとは違い、損保、相手、警察、裁判所、職場、クルマ屋、他の病院等との様々な連絡・対応・手続きが必要になります。
交通事故の大部分は相手がありますから『責任割合』というものがあり、その割合によっては治療費の支払われ方が大きく変わります。


損保からの治療費支給が確定しない場合は、患者さんは安心して通院できませんし、治療者(病院側)としても診療行為をどこまで実施して良いのか決定できないために治療が進みません。


また、交通事故の場合はほぼ必ず、治療費とはまた別な金銭的な「補償」が絡んできます。
慰謝料や後遺障害に関わる補償額は、治療期間が一区切りついてから算定され清算されることが多いのですが、治療初期の診断が後々大きく影響することが多いので、受傷直後にかかった病院の診療状況なども必要となることがあります。


被害者側だから治療費負担は要らないだろうと思っていても、事前の手続きに不備があったり、相手方が「不良損保会社」だったりすると、整形外科に足を運んでから
「全額自費払いになります」 という事もあります。


ですから整形外科の受付係は、事故初期に必要な情報を最初の電話問い合わせ段階で要領よく質問してくることは、診療を受ける前に大変重要なことです。



 

【3】 〔電話受付係が〕 自賠責保険の制度について、知識と経験があること




先の【2】とも重複しますが、整形外科の受付係は交通事故に関わる制度・法令、特に自賠責保険の利用法について、基本的な知識と経験があることが大変重要です。


自賠責保険の制度自体はネットでも検索すれば知ることができます。でも明文化された物を読んでも実際の運用のされる段階ではその通りにならない事も多いのです。事故の加害側や相手方が制度を悪用してくる場合もあります。


電話対応だけで相手の技量を測れるか? というと、難しい点がありますが、だいたい解るポイントがあります。
あなたが自分の自賠責での治療に関して何か尋ねた時に、杓子定規に制度の文を復唱して答えてくるのではなく、実際にどのように対応すればよいか、の簡単なアドバイスをしてくれる受付係であれば、それは実際に患者さんを助けてきた経験を持つ有能なスタッフあると考えて良いです。


つまり、「自賠責制度を知っている」だけではなく、
「制度をうまく使う方法を知っている」ことが重要です。


でも受付係さんを『試そう』等と思って、電話口で難しい専門的な質問を立て続けに投げかけないで下さい。
医療機関の受付係は弁護士ではありませんし、たくさんの問い合わせの対応に追われていつも大変多忙ですから、意地悪な質問をしていつまでも受付係を電話に拘束するような非常識なマネは絶対にしないで下さい。



交通事故の治療は、

『医療半分、手続き半分』

どちらが欠けても被害患者さんの損害は拡大します。


手続きの部分では、通院の度に窓口受付スタッフとのやり取りが多くなります。
中小規模クリニックでは窓口受付と電話対応は多くの場合は兼任しているので、電話対応が良いクリニックであることは、通院先として決める大変重要な要素の一つです。

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