院長 平竜三のブログ診察室では伝え切れない、詳しい医療情報を語ります

交通事故後に通院する整形外科の選び方。 チェックポイントその⑥   医師が自分の顔を見てちゃんと話しを聞いてくれるか?

  • 2019.04.05

今回は受診前の下調べではなく、取りあえず整形外科を一つ決めて実際行ってみて、担当医と診察室で対面した場面での話になります。


今回のチェックポイントは、

担当医があなたの顔をしっかり見て、ちゃんと話しを聞いてくれるかどうか。

これ、あなたが治療先に決めるかどうかを判断する大変重要な点です。
今までに挙げたチェックポイント①~⑤よりも大事と言ってよいです。


なぜ、超重要条件なのか? それをこれからご説明します。



仮にあなたが交通事故に遭って痛みが出て、どこかの医院を受診した時、医師が次のような態度だったらどうでしょうか?

あなたが診察室に入ると、医師はあなたの顔はチラッとみるだけで、あとはソッポ向いてパソコンとレントゲン画像だけをにらみ、体の触診も一切せず、メンドクサそうに一つ二つの質問だけをして、
「骨折も無いし、うちではやることは特にないです。痛み止めとシップを出すので、無理せず休んで様子見ましょう。痛かったらまた薬取りに来てください。」
で診察終わり。

とりつく島もない冷たい雰囲気で話しにくく、十分に症状を伝えられないまま帰るしかなかった・・・

これ、稀ではなく患者さんの体験談として非常によく聞く話なんです。
実は当院に交通事故で来院された患者さんのうち約半数は、既に1、2か所の整形外科医院を経由されています。前医で違和感や不安を感じて、何か違うな、と思ったので当院を探し転院されて来られています。


私は他の医院にかかっていた患者さんには、初診時に必ず
「前にかかった医院の先生はどういう対応だったのですか? どういう診療を受けられたのですか? 」と尋ねることにしています。今後の診療の参考にするためです。

▲患者さんの顔をちゃんと見ない
 ▲表情が冷たい
 ▲ろくに話を聞かない



これは医師側からのコミュニケーション拒絶の身体表現であり、その時医師は内心次のようなことを考えていると推定されます。

すなわち、

 ▼交通事故の患者は色々ややこしく面倒。
  ▼病態がよく解らず、治療方針が立てにくい。
  ▼早く話を終わらせて帰って欲しい。

さすがにこうはっきりと口に出しては言えないので、つい非言語の態度に表出してしまうのです。あなたがこのような心境のドクターに我慢してかかっていると、その後どうなるでしょうか?
以下のような不利益を受ける可能性があります。

◆症状や病名をカルテに十分記録してもらえない
⇒ 検査漏れ・治療漏れで放置され、回復が大幅に遅れる。

◆通院する度に医師の前で緊張する
⇒ イライラ・不安から自律神経の不調を生じるため、症状が良くならない。あるいはかえって悪化する。

◆医師から損保に症状経過をきちんと伝えてくれない。医師が損保の言いなりになる。
⇒ 早期に治療費打ち切りされる。補償額もカットされる。

◆治療経過の記録不足
⇒ 症状が残存しても後遺障害診断書を書いてくれない。
あるいは書いてくれても症状所見の記載不十分のため認定機構からの認定が下りない。
(数十万円から数百万円の患者さんの実損を被ることになる)



痛みや障害が残るだけでもつらいのに、かかる医師次第で金銭的補償も受けにくくなってしまうのでは患者さんにとってはダブルの大損です。医師の診療方針や考え方を変えることはできませんから、ご自分の体や生活を大切に考えるのであれば、転院を考えた方が良いでしょうね。

事故に遭って受診する患者さんは、特に医師がメンドクさがっていないか、自分をちゃんと積極的に治療してくれそうかどうか、最初に態度に出ているかどうかを注意を払っておくべきです。


一方、上記とは真逆の態度の医師であったら? つまり、

● 初対面であなたの方向を向いて、
● 顔や目をちゃんと見て、
● 柔らかい表情で挨拶し、
● 事故の経過や症状の具合などを順を追って質問し、
● あなたの症状、悩みを良く聞き、
● うなずきながら丁寧に記録し、
● 事故に遭ったことへのねぎらいの言葉などをかけてくれる




こういう対応であれば、きっと患者のあなたは、リラックスして症状を話伝えられるでしょう。

さらに加えて、
● 適宜触診や各種の診断テスト(関節を動かして痛みが出るかどうか等)や神経学的テスト(皮膚の知覚や深部腱反射など)を手際よく行い、
● 追加で必要な検査等の指示を出す。



こうした一つ一つの対応によって誤診や診断漏れが減り、より適切な治療法を探すことができます。これは医学的な対応としては当たり前のことなのですが、交通事故というだけでいい加減に流してしまう医師が多いのが現状です。


初診時に全ての正確な診断は出ませんが、早い時点でも解る範囲の暫定診断と、今後の見通しについての概要の説明をしてくれれば、その後安心して通院してみて良いのではないかと考えられます。



交通事故でかかる医師を選ぶときは、〇〇大学を出た、〇〇病院の立派な役職に居た、博士号をもっている、などの学歴・経歴よりも、

あなたの顔をしっかり見て、ちゃんと話しを聞いてくれる医師であること

が、あなた自身にとってずっと大事な事なのです。

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