交通事故治療で通院する整形外科の正しい選び方

 

交通事故の治療で失敗しない整形外科の選び方チェックポイント10点

 

整形外科でしばしば冷たく扱われる理由を今までの記事でお伝えしました。

どうして?  という体験をされた方、これでその理由は大体お解りいただけたと思います。
でも冷たくされる理由が解っただけでは治療の解決にはなりません。

「じゃあ、事故に遭ったら一体どういう整形外科にいけばちゃんと診てくれて治してくれるんだ!?」
と思いますよね?

その通り、重要なのはそこの点です。

 

 

 ■あることはある。だが少ない

交通事故の治療でよく快く受け入れ、しっかりした治療に取り組んでくれる整形外科医は多くはないのですが、実際確かに存在はします。

試しに通院してみて確かめるのが一番ですが、何度か通ってみてから
「ここは違ったかな?」 と気付いてからそこをやめて別な所に転院するのはちょっと手間です。

なるべく最初から自分にピッタリで治療効果の上がる整形外科に通えた方が良いですから、今日はこれから

《交通事故治療を受ける際に失敗確率を減らす整形外科の探し方》

をお伝えします。

 

ただし、内臓損傷、脳損傷、意識障害、大きな骨折、出血多い裂傷など、生命に関わる重症や急性期から入院手術を要するような大ケガを除きます。辛くて同じ仕事の継続が困難でこのまま放置はできないが、何とか家から通院できる、というレベルのケガの方を対象としては話を進めます。

昨日事故でぶつけられ、今朝からクビの左側に激痛…

 

具体例としては、

◆首から肩に違和感・灼熱感・コワバリ・痛み・手のシビレなどが出てきた
 ◆事故直後から耳鳴り 頭痛 めまい 気分深いなどが続いている。
 ◆バイクで転んで手を突いてから手首や肩などの痛みがある。
 ◆ドンッ と追突された後から腰が痛くて真っすぐ伸ばせない。

 

 

 ■結局どういう所に行けばよい?

事故後にこんな症状が出た方、どういう整形外科を選べばよいのか?

私が考える《整形外科選びのチェックポイント》は次の10点です。

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この整形外科なら良いかも !?

 


1. 整形外科を主に標榜する開業医か中小規模病院であること。
(最初から接骨院単独で通うのはダメ)

2. 交通事故治療の情報をサイトに掲げていること

3. 受付の電話対応が良いこと

4. 開設後、5年以上経っていること

5. 交通事故の治療実績が十分あること

6. 医師は自分の顔を見てちゃんと話しを聞いてくれること

7. 必要な検査を全て省かずにやってくれること

8. 病態・治療法・見通しなどについて説明があること

9. 保険制度に詳しく、損保との関係が良好であること

10. 通院治療を受けて、改善が実感できること

次回以降の記事の中で、各項目について詳しく説明いたします。

整形外科医に歓迎されない理由(5):先輩医師から評価されない

交通事故患者さんの治療に努力しても先輩医師から評価ゼロ

 

複数の整形外科医師が居る病院では、科長医師をリーダーとして、その指導の下に後輩医師が勤務しています。医師は大抵、病院の組織と同時に、医局組織のメンバーでもあります。

 

医局というのは大学病院の臨床科(例えば、『第一内科』『脳神経外科』『整形外科』など)ごとに、教授を中心として作られた組織です。

 

医師は卒後、出身大学の医局に所属することが多いですが、卒業後に出身大学以外の大学医局に入局することもあります。例えば、東京出身で京都大学医学部を卒業したあと、地元の東京に戻って東京大学医学部の医局に所属させてもらい、医局とパイプを持つ「関連病院」(=これをジッツと呼ばれます)の中から教授が決める人事判断で医師のポストを決めてもらう、という仕組みになっています。

 

医局所属の医師で大学病院勤務は僅かで、ほとんどが関連病院への出向です。若手の医師は数年ごとに関連病院の間を転勤させられ、経験を積んでいきます。

 

勤務医は赴任先の病院組織と、所属元の大学医局組織の両方に所属しているわけです。
勤務医は常にこれら組織中の指導医・先輩医師・同僚医師・後輩医師から見られ、その仕事ぶりが互いに評価されています。

 

手術が大切

医師が評価されるポイントは、普段の診療内容、診療態度、学会発表、論文投稿などですが、整形外科のような外科系医師の場合は何と言っても『大きな手術を多数こなせること』が重要です。
なぜかというと、手術件数を増やすことが最も病院の収益に貢献するからです。

 

もう一つ、医師が高評価を得るポイントは、優れた研究を学会や医学専門誌に活発に発表することです。
病院からの給与には直接影響しませんが、医師仲間の間で名が知れることで、出世のきっかけともなります。医師にとって研究発表は確かに重要です。

 

医師は常に勉強・研究し自分の知識と技術を磨くだけではなく、それを仲間とシェアして医療界全体のレベルアップに貢献する責務があるからです。

 

ところが、ここで整形外科の診察室外来に交通事故患者さんが来たとします。
交通事故被害者の方はしばしば体中いくつもの箇所に症状があり、しかも損保や加害者とのやり取りや仕事の休業やら保障のことの悩みをたくさん訴えます。診察室で他の人の何倍も時間を取られることが稀ではありません。

 

整形外科勤務医の多くは午前中に外来を受け持ち、午後は定時で手術の予定が入っていたりしますから、一人の外来患者に多くの時間が取られるとイライラしてきます。なんとか早く話を終わらせて、外来患者をこなさなければいけないので、シツコイ訴えの交通事故患者には少し冷たく当たるしかありません。

 

 

二の次にせざるを得ない事情

整形外科勤務医は、手術に知識・技術と精神力を集中することが大切です。手術は患者さんの生命や運命に関わる大変重要な作業ですから当然です。
交通事故の外来患者さんが「痛い」「凝ってる」「しびれる」などと訴えていとも、手術を要する患者さんに比べると医師からみると極軽い症状に見えてしまうんです。

 

 

それから、ここが今回記事の核心部分なのですが、整形外科医は、歩いて通院してくる交通事故の外来患者をいくら親身に治療しても、先輩医師や病院経営者からほとんど評価されないのです。
整形外科学会でも交通事故患者の治療に関するトピックも発表件数も大変少なく、整形外科医の中でも関心の低さがうかがえます。

 

整形外科勤務医が交通事故後の患者さんの治療に時間と情熱を入れて、取り組んだとしても、同業医師や病院経営者からの良い評価は得らせません。むしろマイナス査定を受けます。

実際に私自身、勤務医時代に外来で交通事故患者さんの症状を良く聞こうとしたら、上司のドクターから「そんな患者に関わってないで湿布出してさっさと帰せよ。交通事故なんてどうでもよいから、もっと手術の勉強や論文に時間を使えよ!」と叱られた記憶があります。

 

立派な整形外科医を目指しているなら、やってもどうせ評価されないメクドクサイ交通事故患者の治療なんかで時間を割かず、脊椎とか、膝とか、股関節とかの高度な手術の技術を磨き、論文を発表し、医師組織の中で高い評価を受けたいと思うのが普通です。

 

それに実際、手術に対しては非常に多くのエネルギーが必要ですから、そちらに努力を集中しなければ良い手術はできません。それに、手術がうまくいけば、患者さんの苦痛は減り生活の質も明らかに向上するので、整形外科医にとって手術は最も「やり甲斐」を感じる仕事でもあります。

 

ここまでの話をまとめます。
医師は職場や医局の同業医師から常に実績を査定されている。
整形外科勤務医は手術をこなすことで高く評価される。
交通事故の治療をいくらやっても評価を得られない。

 

 

交通事故の患者さん症状は慢性的でしつこく、治療はじっくりと取り組む必要があります。多くの場合改善には時間がかかり、なかなか「パッ」と良くなるものではありません。整形外科診療の中では「地味」な分野であり、手術を「本業」と考えている整形外科医にとっては関心を持ちにくい、という実情があります。

 

交通事故に遭った患者さんが、比較的大きな病院の整形外科で医師からあまりシッカリ診てもらえない、感じた場合、医師側にはそういう理由があるのだ、と割り切っていただく必要があります。

診療に満足がいかない場合は病院を変えるしかありません。
どういう病院なら交通事故も良く診てもらえて、治療効果も得られるのでしょうか?

 

それについては、次回以降に詳しく述べいきます。